リコード法を実践中☆ななくん blog

若年性アルツハイマー病の診断を受けた母にこれからも母らしく生きて貰いたくリコード法に取組んでいます。母は大阪、私は東京の遠距離介護。普段は理学療法士として訪問リハビリや自主サークルで運動指導等をやっています。

要介護認定、準備と結果

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5/24に受けた、母の介護認定調査の通知書が届きました。

 

要支援でも難しいかもしれない、、、

そんな思いが強い中、試したいサービスがあったので、踏み切った認定調査。

 

結果は、要介護2。

 

想像以上に重いとの判断で、正直驚きました。

 

本来なら残念な結果ではありますが、

・進行性と言われるアルツハイマー病(しかも母はギリギリ若年性)。

・なんとか症状を食い止めたい。

・そのために取り組んでいるリコード法の生活習慣は、母1人では不可能。

・専門職やサービスの力を借りたい。

・だから、利用可能な点数が欲しい。

そんな思いが強かった私には有難い通知となりました。

もちろん現段階では全ての点数を使う必要はないと思っていますが、

「今からきちんと支援を受けて下さい」

と言って頂けているような気がしています。

 

普段、私が訪問リハビリで関わるご利用者も、区分変更の際は、ドキドキします。

地道にリハビリを頑張ってきたから良くなってきた方々や、劇的な変化は無くても転倒なく日常生活を続けられている方々、ほぼ寝たきりだけど褥瘡もなく食事が摂れ車椅子での外出が出来ている方々にとって、やはり訪問リハビリの意義は微力なりにもあるのではないかと感じています。

それが区分変更で、介護度が軽くなると、今までのサービスが受けられなくなる、、、

 

確かに、財政面を考えると仕方のない事ですが、これだけやっているからギリギリ踏ん張れている、という気持ちも、やはりある訳です。

 

どれだけ頑張っても機能が落ちてしまう方もいらっしゃいますが、できるだけそうならないように、出来れば生活の向上を目指して日々努めているので、ちょっとしたジレンマでもあります。

 

介護度が軽くなった(改善した)方々は、点数面で受けられなくなったサービスの代替えの場がない中で在宅生活を強いられているのが現状だと思います。

 

今を維持・向上するためには何が必要か、、、

そして進行性の病だとしたら、、、

 

それを考えた時、介護保険の申請をしない手はないと考えました。

 

母が予想より重く認定された理由

調査員との面接では、正直、母はパーフェクトでした。

問診も身体検査も。

 

認定調査の数日前に自宅に来て頂いた社会福祉士との顔合せでもパーフェクト。

社会福祉士の方が、

「何も問題なさそう」

と発言したくらいでしたし、

一緒に立ち会った弟も

「調査の時は、家族の話も聞いて貰えるんですよね?」

と質問したくらい、不安を感じたようでした、苦笑

 

実際、この認定調査直前の2週間は、母は検査等のために、東京で私と暮らしていました。

食生活や運動など、可能な限り2人でリコード法に取り組んでいたので、その成果かしら?

なんて考えながら、、、笑

 

去年まで出てこない事も度々あった、住所や電話番号、生年月日、人の名前なども、こういう時に限ってスラスラ書ける。

どの質問にもきちんと応えられる母の側で、約半年のリコード法の成果に半分喜びつつ、

「全部応えられなくていいよ!」

と心の中で叫ぶ私がいました、汗。

 

こういう時には完璧な受け答えができてしまう、身体も普段より動けてしまう、というのは、よくある話だと思います。

人は誰しも等身大以上に良く見せたい生き物だから仕方ない、苦笑

 

パーフェクトなのに重い判定?

母の要介護2というのは、正直、まだ重すぎるのではないかとも感じていますが、認知症は何がトリガーとなって進んでしまうか分からないのが怖いところ。

注意散漫になれば転倒リスクは上がりますし、衛生面から歯磨きが行き届かなくなれば、炎症や唾液分泌量の低下(消化吸収能力、感染)などのリスクも上がります。

そういう意味でも、現状より「軽い」と判断されてしまうのだけは避けたい。

 

下記は、母の結果に影響を与えたと感じるものです。

 

①事前準備〈メモ〉

判定結果は、調査員の方に、どれだけ現状を伝えられるか、ここに大きく左右される訳ですから、あらゆる角度から、普段困っていること、不安な点などを思い起こし、メモしておく事が大切だと思います。

初めてそういう場を経験する方は、少なからず緊張もしているので、言い忘れる事も多いかもしれません。

 

認定調査で予め質問される内容を知っておくと、イメージがしやすいのではないでしょうか。

⬇︎厚生労働省の認定調査票

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000127894.pdf

 

問診は基本本人に行われますが、家族としては、「できる」「できない」だけではなく、「こんな風に出来なくて困っている」と具体的に言える準備をしておくと良いと思います。

 

調査の際に言い忘れたことは、後から電話で伝える事も可能のようなので、調査日で全てが決まると力まない事が一番だと思います。

 

②調査員の質

こう書くと、上から目線のようになってしまいますが、やはり来て下さる調査員によって、その報告書は、天と地ほどの差があるように思います。

今回担当して下さった方は、本当に細かく記載して下さっていましたし、事あるごとに「大丈夫よ」と慰め励まして下さいました。

一滴も涙は零していませんが、凄く温かい眼差しで見つめられていた気がします(^^;;

 

私自身、訪問リハビリで認定調査に何度か立会いましたが、その中でもダントツに調査票にメモして下さっていた印象です。

 

認知症の問題が深刻になってきたここ10年ほどで、認知面の評価が、きちんとなされるようになってきたと実感しています。

以前は、身体面しか評価して貰えない方も多くいましたから、調査員の方々も日々勉強されているのかもしれません。

ですので、恥ずかしがったり遠慮したりせず、ちょっとした違和感なんかも伝えてみると、そこから何か拾ってくれるかもしれません。

 

一方、財政面の破綻で、以前より、調査の目が厳しくなっているのも事実です。

現状を包み隠さず伝える事が大切だと思います。

私は、母が出来ていることも正直に伝えた上で、出来ないこと、ちょっと支援して貰えたら不安なく出来るようになりそうなこと、今後予測されるリスクへの不安なども伝えました。

すると「(認定されたら)こういうサービスもいいかもしれませんね」と調査員の方から提案して下さる場面もありました。

 

③家族の面接時間を作る

とても重要だと思います。

事前に、社会福祉士の方を通して、

本人とは別で、家族の面談を入れて欲しい旨を、予め区に伝えて頂きました。

 

調査当日は、母との面接後、別室で調査員と私の2人きりで面接。

母との面接よりも長い、約1時間ほどの時間を割いて下さいました。

 

本人がいると言いにくい事、傷つけてしまう可能性のある現実なども、きちんと話すことができ、別室で行えて良かったと思っています。

上に書いた内容の殆どはこの時に話しました。

母の面接時は口を挟まず、取り繕いの部分や、補足したい部分をメモしておきました。

 

④若年性

母は64歳なので、ギリギリ若年性。

一般的に若年性は進行が速いとされています。

 

認定調査は、「現時点で、どのくらい支援や介護が必要か」と、あくまで今の状況をみるのもですが、日中は母が1人で生活している現状なども加味しつつ、もしかしたら「年齢が若い」という事も、考慮して頂けたのかもしれません。

ここは想像の域ですが。

 

⑤家族歴

母の場合、実の姉が同じ若年性アルツハイマー病で進行もとても速かった。

数年前から完全に寝たきりで意思疎通も全く出来ない状況です。

直接は関係ないかもしれませんが、近親にそういう方がいる場合は、話しておくのも良いような気がします。

 

特に同居のご家族で、身体的・精神的に障がいのある方がいる場合は、そこでご本人の仕事が少なからず発生している訳なので、きちんと伝えておく方が良いと思います。

 

⑥医師の意見書

認定調査で最も重要だと思います。

何故なら、判定は「認定調査票」と「医師の意見書」で決まるから。

 

母の主治医は今も東京です。

だから頻繁に母が会える環境ではありません。

ですが、暫くは私が管理したい事情を話し、主治医でいて下さっています。

 

今回、大阪での認定調査を終えた翌日に東京に戻った私は、すぐに主治医に連絡を取りました。

一緒にいた約3週間の母の様子や不安な点を細かく伝え、先生からも、沢山質問を頂けたので、抜けも少なかったように思います。

たぶん、相当細かく記載して下さったのではないかと思います。

 

その際、

診断名のトップに「(若年性)アルツハイマー病」と記載して貰うようお願いをすることが重要だそうです。(これは、区の方から念を押されました)

 

受診でも、電話でも、手紙でも、何でも構わないので、直接医師に状況を伝え、意見書の作成を改めてお願いすることが、とても大切だと思います。

 

⑦状況を把握している第三者に立ち会って貰う

これは、私が訪問リハビリで時々遭遇するものです。

既に認定を受けている場合は、今関わりのある看護師や療法士、ケアマネージャーなどに立ち会いをお願いするのも1つだと思います。

 

私は、身体機能の低下している場合が多いので、実際に「こんな感じでできない」という事を実演する事も多いですし、バイタル面の不安などもお伝えします。

例えば、白内障の診断は受けていないけど怪しい方はとても多いです。視覚はバランスにも直結するものなので、療法士としてはとても気がかり。ですが、その治療が後回しになったまま、それが日常となっている場合、ご本人やご家族はそこまで問題視していない事も多いと感じます。

三者が立ち会うことで、ご家族が言えない事、気づかない部分も伝えられるかもしれません。

 

ただ、それぞれの仕事があるので、時間が限られているのも確か。

立ち会いをお願いする場合は、先に相談をした上で、認定調査の時間を決めていくようにして頂きたいと思います。

(私の場合は、訪問時間の前後で段取りしたいと、ご家族やケアマネージャーさんから相談を事前に受ける事が多いので、対応できています)

 

立ち会いが難しくても何かアドバイスは得られるかもしれないので、相談する価値はあるように思います。

 

遠距離介護への対応と注意点

①代理で申請

私のように遠距離介護の場合、もしくは、介護で手が離せない場合は、地域包括の方が代理で市区町村の窓口に申請書を提出して下さいます。

用紙の手配も全て行って下さり、とてもスムーズに申請ができました。

 

②認定調査までの期間も考慮

今回、私は木曜日に帰阪。

金曜日に社会福祉士の方に自宅に来て頂き、申請書の書類を埋める作業を行いました。

そして、翌週の月曜日に認定調査。

週末を跨いで4日の間に終わらせることができました。

申請書の提出から、こんなに短期間で認定調査を行えることは稀かもしれません。

 

私自身、今回は申請書の提出だけ行い、また別で、認定調査には帰阪するつもりでしたが、社会福祉士の方が、区に掛け合って下さったところ、区も快諾して下さり、一度の帰阪で全てを行うことができました。

1ヶ月ほど前にその話ができたので、対応可能だったのかもしれませんが、掛け合う余地はあるかと思います。

交通費もバカになりませんし、仕事を休むのも最低限で行えたこと、そして認定までの期間が最短で済んだことは、とても有り難かったです。

 

③生活環境の移動

これは初めて知ったこと。

認定調査を行う場所は、日頃の状況が分かる場所、というのが前提なので、調査日の前約1週間は、本人の生活環境が変わっていない事が求められるようです。

つまり、その間に旅行や、今回の母のように、東京の私の家で生活していた場合は、問診のどの項目も、軽い段階にしかチェックを入れる事ができないそうです。

ただ、今回の調査員の方は、「チェックはここにしか付けられないけど、補足をしておきます」と何度も仰って下さったので、単純にチェックの位置だけで評価される訳ではなさそうです。

でも、できれば環境を変えないで受けるのがベターだと思います。

当然と言えば当然のこと。

勉強になりました。

 

④書類は介護者の元へ

通知書の郵送先は、何も言わなければ、本人の住所に届きます。

結果に対する本人の不安感や、書類の紛失、などを考えると、まずは、介護者に郵送して貰うのが良いように思います。

 

同居の場合で紛失の心配がある場合は、事情を話し、親戚の家に送って貰うなど検討してもいいかもしれません。

 

今後

①ケアマネジャー

ケアマネージャー探しが始まりました。

一先ず、お世話になった地域包括の社会福祉士の方に報告の電話をしました。

 

通知書にケアプランセンターの一覧も同封されているけど、たくさんありすぎてどこが良いのか分からない、、、

 

私が訪問リハビリをしている地域では、ご利用者の状況から「このケアマネがいいかもしれない」と話し合って依頼することも多いのですが、そこは地域によるみたいです。

 

電話の印象では、母のエリアは、あまりそういう事はしていない印象(゚ω゚)

「一覧の中であれば、どこでも良いと思います」

と言われたので、一先ず、住所が一番近い事業所をリクエストし、社会福祉士の方から掛け合って頂く事にしました。

私が直接電話をしても変わらないかもしれませんが、今後何かあった時のために、包括の方に間に入って頂いておく方がベターな気がしています。

 

早速、

「担当できそうなケアマネを調整してくれると返答を頂きました」

とお電話。

この社会福祉士の方は、連絡がいつも素早く、滞っている場合もきちんと連絡を下さるので、本当に有難いです。

 

ケアマネージャー、、、

とてもとても大切です。

まずは母と相性が合い、利用者目線で物事を考えてくれる素敵な方と出逢えたらいいなと思います。

 

②医師の指示書

主治医は東京ですが、指示書をお願いするのは、近くの医師の方が良さそうだなぁ、、、

これから検討です(゚ω゚)

 

他にも諸々ありますが、一先ずはこの2点が解決しないと始まらない。

動いていきたいと思います!

 

最後に

介護認定の事すら知らない方もいらっしゃるという話を時々耳にします。

もしくは「まだ認定して貰えないんじゃないか」と考えて、踏み切れない方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、私個人としては、一度申請してみてはどうかと思っています。

なぜなら、何かしら症状が出ているから診断を受けている訳であって、何も問題がないはずはないからです。

もしも主治医が「まだ早い」と言ったとしても、主治医は一緒に生活をしている訳ではありませんし、家族にしか分からない困り事・不安な点・症状はきっとあると思います。

 

何かしら認定を受けられれば、生活の中に、その方にあった良い刺激となる時間を持てる可能性は充分にあると思いますし、認定されなければ、また改めてやればいい。

そんな気軽な気持ちで、一度申請してみても良いのではないかと、個人的には思っています。

 

因みに母には、まだ階級は伝えていません。

「家庭教師みたいな感じで、家で運動を教えて貰えそう」

と伝えています。

訪問リハビリを検討しています^ ^

「1人でやろうと思ってもやり方が分かれへんから無理やろ?」

と。母の反応は

「そやねん、1人じゃ無理やねん。良かった」

と。

母にとっては、階級どうこうよりも、私から「運動しろしろ!」と言われるストレスから解放される事の方が重大なようです、苦笑

 

あと、口腔ケアも気になっていますが、、、

 

一歩ずつ☆