認知症の心の中。そして寄り添う人。
先週の訪問リハビリ。
変形性膝関節症と軽度認知症状のために、約2年半前から担当させて頂いている方からの手紙。
元々認知症の方が、2週間前に圧迫骨折。先週は痛みありつつもお元気だったのに、今日は見た事がない程の無気力。ヘルパー記録から、幻視と暴言が出現した様子。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月12日
身体的には安静重視の2週間。
だけど、脳にはかなりのダメージ。
兼ね合いが難しい。
一緒に運動や脳トレしたら笑顔見られてホッとした😍
昨年11月末。
腰の圧迫骨折で、安静期間を経たことも重なり、認知症状が一気に進みました。
12時前に伺っても、チャイムへの応答がなくなり、真っ暗な部屋のベッドで横になり、声をかけて目覚める日々。
得意の料理や洗濯もできなくなり、お茶の入れ方も分からない。
綺麗好きなのに、整髪にも気が回らず、部屋が片付けられず、台所も食べ残しのゴミが散乱、洗濯機の使い方が分からなかったのか手洗い途中の衣類が洗面台に水浸しになっていたり、トイレが汚れていたり。
お願いした用事を済ませるとすぐにベッドに向かってしまう。
ベッドに行くよう声をかけると、真逆の方向に歩き出すお母様。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月19日
息子さんが「そっちはトイレ。ベッドは反対」とイライラ
先にお手洗いに行きますか?
と訊ねると「うん」と
動き出して尿意を感じたのかな?
側から見ればチグハグな行動でも、ご本人にとっては辻褄が合っている事も少なくない#認知症
主介護者である息子様は、週に2回ご自宅に来て、通院に付き添ったり、食品などの補充、ゴミ出し、薬の管理表など、とても熱心にお母様の独居生活を見守ってきた方。
ただ、理想の母親像がある中での、老い、痛み、認知症への理解、はなかなか難しい部分があり、お2人が顔を合わせると口喧嘩が絶えず、お互いがストレスになっているような状態でした。
息子様が用意する食料は、冷凍食品やレンジでチンする品ばかり。悪気がある訳ではなく、息子様なりに、1人でも簡単に食べられる物を考えて購入されていたのだと思います。
だけど、今のお母様は、誰かがお膳に食べられる形で準備をしなければ召し上がることができない状態です。
レンジの中に食品が入ったままになっている状況が繰り返され、温めボタンは押せるけど、ボタンを押したことを忘れてしまうのが認知症という事などをお話し、当面、訪問スタッフが可能な限り、夕飯の準備もする事を提案しました。
息子様も理解して下さり、その後、お弁当を買うことは無くなり、小分けの真空お惣菜、野菜、卵、非常時用に真空ご飯や缶詰め、ふりかけなどを購入してくれるようになりました。
夜の服薬もできない状況なので、リハビリやヘルパー介入時に服薬する方向となり、そのためには何か食べて頂かなくてはなりません。
患部以外のストレッチなどを行ったら、簡単なブランチを作り、召し上がって頂く間に、夕飯の準備を行い、服薬、手紙を残してギリギリ1時間、という流れを繰り返しました。
まずは栄養優先です。
#訪リハ 圧迫骨折後、急激に認知症が進行した方。12時前に訪問しても真っ暗で寝ている日が続く。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月1日
用意された食事は冷凍食品ばかり。運動そこそこにご飯を炊き卵焼きとか作る。専門外だが服薬業務あるし緊急事態だ!
ケアマネと相談し、やっと息子さんを説得、デイの導入を決めた。何とか回復させたい!
私は週に1時間という短い時間しか関わることはできません。
それでも、着替え、カーテンを開ける・お茶の準備や米研ぎ・書字、そしてストレッチや運動も少しずつ増やし、小さな日常を少しずつ取り入れることで、たった1時間の中でも、笑顔や発言が増え、表情が豊かになっている事を感じました。
患部の痛みが軽減してきたのは大きな要因だと思います。
概日リズムを取り戻したい。
朝ベッドから起き、夜に眠る、という一見当たり前の習慣を取り戻すためには環境作りが大切と考え、
・私の訪問時間をひと枠でも前にずらす
・デイサービスの導入
をケアマネを通じて息子様に提案しました。
#訪リハ 独居の方。訪室すると床に長座位姿で震えている。多分夜中に #転倒。椅子や棚を使って立ち上がろうとした形跡が切ない。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月6日
血圧低下、低体温
先週、訪問時間を早めた方が良いと打診したけど断られたCMと息子さんを説得し時間変更
夜中、暗くて寒くて痛くてどれほど怖かったことか😭しかも雨☔️
目の前に飛び込んできた光景は、今でも忘れられません。
この日は深夜から雨で、とても寒い日でした。
どれ程、心細かったことか。
#訪リハ 11月に圧迫骨折なお二方。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年3月27日
お一人は今日初の調理で、旦那さん写真撮るは泣きだすは💖
もう1人は認知機能低下で色々大変だけど得意の料理をお願いすると本領発揮🙌
お2人とも冷蔵庫には #小松菜🥬
で #ごま和え 作ると👯♀️
この世代、小松菜率高い気が、笑笑
お2人共、手際の良さは流石でした🥰
あの転倒から約2ヶ月。
まだまだ以前ほどには回復してしません。
ただ、腰の痛みは無くなり、幻視や暴言が落ち着いているのは確かです。
何より、3月からは、毎週、朝伺うと、部屋の電気が付いていて、笑顔で出迎えてくれるようになっています!
お茶は、私にも茶請け付きでもてなそうとして下さったり、
炊飯は、炊飯器のスイッチ操作はできないけど、水分量は一発オッケー、
お浸しは、茎の部分を30秒ほど先に茹でてから葉を入れるという時間差、
ごま和えは、臼でゴマを引くという一手間を加え「本当は少し煎ると香ばしくて美味しいのよ」と教えて下さる。
ベテラン主婦の知恵を備えた感覚が、少しずつ取り戻せてきているように感じます。
#訪リハ
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年3月28日
届いた #ケアプラン の長期目標に#朝起きて夜寝られる
と書かれていた。
このざっくり感には少し驚いたけど、とても的を得ていると思った。
今のその方にはとても重要なこと。
具体的に何ができるかを探す🥰
ケアプランの目標で、このような表現は珍しいと思います。
だけど、今のこの方にとっては、1番大切な事。
ケアマネを中心に、関わるスタッフ全員が意識統一できているように感じます。
#訪リハ こんな手紙を頂いた😭
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年4月10日
一緒に運動して、胡麻和え作って貰い、夕飯準備、服薬、手紙を書く事が精一杯の毎回に、無力すぎて苦しくなる。
外でカッパを着ていたら、ドアを開けて「傘ある?寒いから気をつけて」と☔️そして見えなくなるまで笑顔で見送ってくれた#私が私に書いた手紙#認知症#叫び pic.twitter.com/R10SAyZ2FF
少しずつではありますが、状況が上向きになっている事を感じていた先週。
お部屋に入ると、テーブルにこのお手紙が置いてありました。
認知症の方の真の気持ちは分からない。
だけど、認知症の方の誰しもが、こういう感情を通るのではないかと想像します。
どれ程の恐怖と闘わなければいけないのか。。
「助けてくださいませんか?」
手紙に書かれた心の声。
自分の無力さを感じずにはいられませんが、私にできること、そして、楽しいと感じて頂ける時間を作っていけるよう、これからも寄り添える努力をしていきたいと思います。
と言うか、それしかできない。。
この日、ドア外でカッパを着ながら、鍵をかける音を確認するために耳を澄ませていたら突然ドアが開きました。
「傘あるの?寒いから気をつけてね」
気遣いの言葉。
そして、以前のように、私が去るまで笑顔で手を振って見送って下さいました。
戻ってドアの確認をしたら、ちゃんと鍵も掛けられていた♡
母はと言えば、、、
朝tel #本人の危機感
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年11月26日
2025年 #大阪万博 のTVを観て、55年前の万博で熊本から家族で来た事を思い出していたと
「痴呆やから、7年後は分かれへんくなってるかもやけど、絶対連れて行ってな」と😭
芋食べてたら大丈夫!と言ったら今日も食べたと健気に笑ってた
絶対行く#アルツハイマー#リアル目標
昼tel #長生きしたくない😭
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月5日
食事やサプリの話や、便秘が解消されている話をしていて「めっちゃ健康になるな」って言ったら、母が
「長生きなんかしたら、あんたら(私と弟)に迷惑かけるだけやもん」
と😢毎日そんな事ばかり考えているような気がして辛すぎる#迷惑なんかじゃない#長生きしてね🕊
この一月半、電話越しの母は、いつも驚くほど明るく元気。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月10日
元気と言うか、ハイと言うか、焦っていると言うか、、
まるで何かを隠そうとしているような、物忘れを指摘されるのを恐れているような、喋りっぱなしで会話に一切の間がない。
電話を切る時は必ず一言「頑張るわ」
かなり心配。。
アルツハイマー病と診断された自覚はあるものの、多分、診断に納得はしていません。
脳の病気の難しいところでもあると思います。
昼tel #お金のこと
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月11日
サプリや食材を立て続けに送り始めた事で、いつも費用を気にする母
30年以上勤めた会社を夏で辞めた母は、年金生活に不安を感じているようだ
私と弟君で話し合ってはいるけど、現時点では、#ちゃんと本人と話して進める方 がストレスフリーな気がする#リコード貯金 始めるか😊💞
#胸が熱くなる その①
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月24日
昨日プレゼントしたダイアリー🎁
1月のページに何やら書いているので、見せて貰うと、日付の横に、赤文字で、
パッチ左腰①
パッチ右腰②
パッチ左背中③
・
・
と8箇所分。
楽しい予定を書き込む前に、薬😭#若年性アルツハイマー病#リバスタッチパッチ pic.twitter.com/qM3HBsOdK1
#胸が熱くなる その②
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月24日
母さまの携帯の裏に何やらメモ
「さつまいも&ブロッコリー」
こんなところにまで・・・😭#若年性アルツハイマー病#リコード法 pic.twitter.com/lRWIfMxezV
#検査を終えた母
— ななくん (@nana_kun_ran) 2018年12月25日
先生との会話から何となく自分は「初期の段階ではないか」と感じている様で
「頑張ったら治るんかなぁ」
と😭
・今回沢山検査をしたのは何が不足しているかを知るため
・そこを補っていけば良くなる人も沢山いる
・生活習慣の改善が重要
を伝えると
「頑張るわ」と😭
頑張ろうね💕
運動を薦めるにあたって「脳のどうこうへの影響」みたいな説明をした事はないけど #AD だから、#リコード法 推奨だから、という思考を私が持って話すと、それが伝わって、何となく不機嫌になり、拒否的になる母がいる。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月1日
母は診断された事も分かっているし、勿論受け入れる事なんてできていない。
ならば運動の目的を説明するのに
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月1日
・転倒しないため
・腰痛が再発しないため
の2つで十分だと我に返る💡
今度会ったら、ここぞとばかりに#バランス能力が落ちている!
という事を、自覚させてやろう🤣
とは言え、結構母さま身体能力キープできてるから、私の方が出来ないかも😱#運動#シンプルに
普段の仕事で母以外の認知症の方々と接していても、凄く繊細にこちらの意図を察知する能力があると感じることが多い。
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月1日
見透かされている様な気分になるというか…
そういう事を、母さまに対しては、私が忘れがちだったのかも。反省🙏
という事で、
今月は何回整外に行ってくれるのかしら〜😅
夕tel #何かがおかしい母
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年2月25日
何がか分からないけど何かがおかしい…
何かを隠しているような、そんな感じ…
昨日は近所のグルテンフリーのお店には行かなかったようだ。
ま、相方さんに情報送ったの昨日だからいいんだけど、
土曜日に行った朝市に昨日行ったと言いだすし、混乱している
何かがおかしい
朝tel #虚無感
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年3月30日
「休みの日も仕事なんて大変ね。周りはみんなまだ仕事してるし #母は暇や」
口調は至って元気な母さま
仕事を辞めて7ヶ月
この数ヶ月は病気の事に頭が向いていたけど、限界が見え隠れな最近
趣味や運動には目が向かない
ボラの話を進めたいけど課題の多い実家エリア#AD#遠距離介護
夕tel #死を考えるには早すぎる😳
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年4月2日
旧友とランチな母さま🍽
その後、元旦那(我がオヤジ様)のお店に珈琲を飲みに行ったらしい☕️今となっては不思議な2人😂
帰り道、母さまは #自分の死んだ後の事 をふと考えたらしく驚きの話を私にしてきた🤯
処理しきれず弟くんに話したら、冷静すぎる反応。大人だ💦
周囲に迷惑をかけること、お金のこと、孤独感、死、、、
時々そんな話が母の口から飛び出します。
冗談まじりに明るく話しますが、普段、1人でどんなことを考えているのだろう。。
病気を意識させ、自覚させることがはたして良いことなのか、、、正直分かりません。
だけど、改善方法が生活習慣がベースとなる以上、今の私には他の選択肢が見つかりません。
孤独や恐怖から、何とか解放させてあげられないものかと思いますが、それはもう少し日々を積み重ねた先に、考えていくことかなと今は思っています。
#リコード部オフ会 終了💚
— ななくん (@nana_kun_ran) 2019年4月14日
皆さんと逢えて楽しかった。
勇気と元気を頂きました!
今を大切に、今できる事にがんばる✨#リコード法#アルツハイマー病#リコード部
そして昨日はリコード部オフ会。
患者の本当の気持ちは分からないけど、そこに寄り添う家族の存在は大きく、家族は家族で悩み苦しんでいる。
そんな人同士が言葉を交わす機会、そして、リコード法を実践する上での悩みや情報を共有できる場というのは、ちょっとだけ前向きになれたり、平常心を取り戻せたり、今何ができるのか、何から手をつければいいのかを考えるきっかけになったりと、、、かけがえのない時間だと思います。
目を背けることやリコード法の割合を減らすことも一つの選択肢だと思います。そういう事も含めての悩みや葛藤を共有する時間。
私も今できる事に向き合いたいと改めて感じました。
アルハカさん、色々と事前準備をして下さり、ありがとうございました。
皆さんにお逢いできて良かったです。
ありがとうございました♡